ここでは、家づくりに関する様々な基礎知識を、お役立ち情報として分かりやすくご紹介しています。ぜひ、家づくりの参考にしてください!
再生可能エネルギー
1 太陽エネルギー
1.1 大きさ・距離・温度
直径 1,392,000 km (地球の直径 12,756 km)
地球からの距離 149,600,000 km (147.1-152.1百万km)
光が届くのに約8.3分掛かります。
高度35,786㎞を24時間で地球一周する人工衛星(静止衛星)は3.075㎞/s(JAXA)。この速度で行くと563日程で到着しますが、途中で溶けてしまいます。
表面温度(光球photosphareの温度) | 5,500℃ (これが見えるところ) |
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光球の下層(彩層 chromosphereの温度) | 4,320℃ |
黒点の温度 | 4,000℃ |
中心部 (www.space.com より) | 2,000,000℃ |
1.2 太陽から来るエネルギー 太陽定数
太陽から地球大気圏に来るエネルギー 太陽定数 1.367 kW/m2
地表に到達する太陽エネルギー
大気圏を通過してくる間に、大気、オゾン、水蒸気などで散乱・吸収され、地球表面に到達するのは 1.0 kW/m2 です。(ソーラー建築デザインガイド NEDO)
散乱・吸収されて地上に届く太陽エネルギーの、直達日射・散乱日射のスペクトル分布は図のようになります。(新太陽エネルギー利用ハンドブック 日本太陽エネルギー学会)
1.3 光の波長
太陽の光は電磁波の一部です。電磁波についてはhttps://en.wikipedia.org/wiki/Electromagnetic_spectrum/に分かりやすい絵が出ています。
0.28μm以下のx線やガンマ線など危険な電磁波は大気やオゾン層に阻止されて地上には来ません。3μm辺りから先は遠赤外線、更に波長の長いマイクロウェーブ(電子レンジ)、ラジオ・テレビの電波、長波となります。
電磁波の中で太陽から地表に到達するのは波長0.28μm(UV-B)から3μm(赤外線)あたりです。
人間の目は0.38~0.78μmを感知できるよう進化したので、この範囲を可視光線と言います。
太陽のエネルギーが一番強いのは、波長0.53μm辺りです。これは、太陽の光球(Photosphere)の温度5500Kなので、(Wienの変位則)でその輻射ピーク波長を計算すると、波長0.53μm、即ち、可視光線のど真ん中で、それを目指して人間の目が進化したことが分かります。
黒体からの輻射のピーク波長は次の式による。 λmax = b/T b = 2.8977729 × 10^-3 m K
同様にこの式から、100℃(373 K)のヤカン、32℃(305 K)の人肌はそれぞれ8μm、9.5μmの遠赤外線放射をしていることが分かります。
1.4 水平面全天日射量
全天日射量 = 直達日射量 + 散乱日射量
太陽エネルギー利用のための国内気象データは、法線面直達日射量と散乱日射量が提供されています。
海外などで、水平面全天日射量しかない場合は、水平面全天日射量を直達日射量と天空日射量に計算で分離して、太陽熱利用評価などのシミュレーションに使います。
2月と8月の日本の全天日射量の分布マップをご覧ください。(ソーラー建築デザインガイド NEDO 1998年度データマップ)

水平面全天日射量 2月

水平面全天日射量 8月
太陽高度が低くなる冬期は水平面で測った日射量は夏と比べ著しく少なくなります。 (太陽高度の影響は12月と6月を比較するのが妥当ですが、地域差が分かりやすくなるよう敢えて2月と8月を載せました。)
水平面全天日射量を見ると、冬は太陽エネルギー利用に適さないように見えますが、 太陽熱集熱器を、南向きに適度な傾斜角で設置すると、受けるエネルギーは夏に負けないほど強くなります。


グラフは夏と冬の晴天日の水平面日射量と南向き30°傾斜面日射量の比較です。 水平面日射量をみると、冬は夏の半分弱しかありません。 ところが、南向き30°傾斜面は、正午頃は夏より約10%強い日射を受け、一日の積算日射量も夏の90%ほど得られます。 こうしてみると、太平洋側の各地では太陽熱暖房が効果を発揮することが分かります。
1.5 日射量地域区分
16年改正省エネルギー基準の一次エネルギー消費量評価の際、太陽エネルギー利用による省エネルギー性を評価するために、その地域が受ける太陽エネルギーの強さで地域分けしたのが、全国日射量地域区分表です。
http://house.app.lowenergy.jp/img/help/02_env_chiki.pdfhttps://www.hyoukakyoukai.or.jp/house/2015/house/house_siryo3.pdf