ここでは、チリウヒーターの社長、岡本 が、独自の視点で、環境のこと、エコのことはもちろん、身の回りの出来事やニュースを、たまには過激に、綴っています。(※あくまでも個人の感想です※)
10月になっても暑さに苦しめられましたが、実は暑さは気温だけでなく日本独特の太平洋から来る湿気が問題です。実際、砂漠地方など乾燥地帯では35℃超でも日陰に入れば涼しく不快ではありません。それなのに天気予報では湿度について何も言わないのが全く気に入りません。湿度何%というのは「相対湿度」で、これは気温が変われば変わります。だから朝と昼では異なった値になるので、今日は何%と言えないのですが「絶対湿度」という表示方法があります。大気は空気と水蒸気の混合体ですが、空気1kgに水蒸気何gが混ざっているかを表すのが「絶対湿度」です。「絶対湿度」は気温と関係なく、一日ほぼ変わりませんが、季節により太平洋から湿った風が来たり、大陸から乾いた風が吹いたりという季節変化で大きく変わります。測ってみたところ名古屋地方の湿気は空気1kgにつき夏は20~22grにもなりますが、冬は4gr程まで下がります。日本のように湿気で不快にされる国で、デジタル時代なのに、数値で情報を出さないのは良くありません。10月に入って気温が大分下がっても暑かったのは絶対湿度が18gr程もあった為です。気象情報には「絶対湿度」を気温と共に言うべきで、この数値を出せば季節の変化とぴったり合致するのが体感できます。これを言わせないようにしている守旧派管理職は引っ込むべし。なお1気圧25℃の空気1kgは1m×1m×約85cmです。チリウヒーターのホームページの下の方「お役立ち情報」から気温と相対湿度と絶対湿度を換算する欄へ行けます。QRコードのサイト下方の5.2.1Wexler…の式で気温と湿度%から絶対湿度が分かります。
5-2-1式に気温と湿度を入れると
絶対湿度が計算されます
一覧へ戻る
8月8日に宮崎県で起きたM7.1の地震により、大地震への注意を呼びかける臨時情報が出され1週間、NHKは画面警告し、今後30年の大地震の確率を80%と言い続けました。天災に備えを怠らないのは大切ですが、ゆっくり動く地球の動きを1週間や30年で予測なんてあり得ません。特にNHKが言う南海トラフの80%は全国各地の危険度予測と全く異なった基準で出されており、地震学者の殆どが「信頼できない」「水増し」と考えているらしい事が中日新聞記者の調査で判明。小澤記者は22年科学ジャーナリスト賞、翌年菊池寛賞を受賞しました。南海トラフ地震だけが他の地域とは異なった推定根拠で計算され、同じ基準で計算すれば20%辺りになる、それも発表すべきだとの地震学者達の意見は、毎年百億円の予算を受ける防災学者や官僚につぶされたと言います。ここの計算は高知県室津港の地震による隆起とその後の回復沈下から求めるというもの。ところが深堀調査の結果、同港は昔から隆起のたびに海底を掘り下げていたと言う。それでは自然の沈下ではない。とんでもないでっち上げですが、にも関わらずNHKが事実として報道する。私は「じゃあまあそれでいいよ」と正論を貫かなかった地震学者達の保身も罪深いと思いますが、知らんふりして国民に嘘をつくNHKは大戦時の大本営発表と同じです。天災に備えを勧める為なら嘘つきも許されるのか。世界中の学者が言うように地震予知は不可能なのです。「東京新聞 南海トラフ」 で検索すると詳細が分かり、読めば読むほど呆れ返った話であると分かります。
起きた大地震は全部赤塗りの危険地域以外 中日新聞
一覧へ戻る
秋近い小学校の帰り道、通学路脇の水たまりに(昔の道は凸凹で無舗装)フラフラのカマキリがいて長さ30㎝以上の黒い針金状の虫が尻から出る場面を時々見たものです。寄生虫ハリガネムシが、水中に出るために宿主であるカマキリを操って本当は大嫌いな水に飛び込ませるのです。ハリガネムシは水中で交尾産卵し、孵化した幼生はカゲロウなどの幼虫(水性昆虫)に食べられ、その体内で皮を被ったシストになって休眠します。やがて成虫となったカゲロウ類は陸に飛び出し、これを食べたカマキリやカマドウマ、コオロギなどの体内で奴らは成長します。繁殖時期になると宿主を操って水に飛び込ませます。水に飛び込もうとするカマキリやカマドウマの脳内にはハリガネムシが産生したらしいある種のタンパク質が発見されており、どうやらこれが水嫌いのカマキリなどにあらぬ行動をさせる元らしい。世界のある地域ではこうして入水自殺する多数のカマドウマの飛び込みが多発する3ヵ月の間、当地のアマゴなど渓流魚の栄養源の9割を占めるそうで、自然環境への影響は大きいのです。寄生生物に操られるのは哺乳類も同じで、例えばハイエナの子供はトキソプラズマ原虫に寄生されると普通よりライオンに接近するようになり食われる率が高くなりますが、これはトキソプラズマがネコ科の動物体内で繁殖するためライオンに乗り換える為です。トキソプラズマに寄生されるは人間は多いらしく、そうすると人は操られて事業や恋愛でも冒険的な行動をとり易くなるそうです。身近にそんな人いませんか?
コオロギから出るハリガネムシ
ナショナルジオグラフィック
一覧へ戻る
座ってばかりが健康に悪いとは言え、一日一万歩と言われるとちょっと。確かに一日一万歩だと心血管疾患の発症が大幅に減ることは分かっていましたが、もっと少ない歩数でも効果的なことが英国で7万人を対象の調査で分かりました。座っている時間が長いほど心血管疾患のリスクと死亡率が高まることが示されていましたので、長時間座っていても沢山歩くとその危険性を打ち消せるかも調査。座っている時間の長短は一日10.5時間が境です。結果座っている時間の長短に関係なく、リスクは減り、一日1万歩までは歩数が多い方がリスクは少ないことが分かりました。同時に一日4千歩でも一万歩の半分ほどの効果だとか。また出来るだけ速足がより効果的。そこから一日千歩増やすのは難しいことではなく、千歩の増加は以後数年にわたりリスクを減らすと判明。私は毎週2回泳いでいる、という人も心配ありません。週末だけ運動の人も、毎日継続している人と基本的に同じ程度の効果だとか。加齢、言い換えれば繁殖終了とともに、意識とは無関係に人の細胞は死のうとします。実際繁殖終了後長く生きているのは人間だけ。川を遡って産卵や射精を済ませたサケもそうだし、交尾を終えたジョロウグモのオスはさっさと雌の餌になって子造りの栄養になります(最近脱走するけしからんオスがいるらしいことが分かった)。もう死のうと思っている細胞に元気を出させるのは運動などの刺激だとか、これを「運動依存性」といいます。
歩く人
一覧へ戻る
史上最も暑かった夏、と気候変動の脅威は迫るのに一向に本気になる気配がなく、特に日本では大手メディアによる啓蒙が乏しいです。15年のパリ協定で1.5℃の上昇に抑えるべく思い切った行動をとろうと、約束したのに効果が乏しい。一部の気候専門家はこの目標が実感を伴わず良くないので、海面上昇の上限を場所ごとに例えば「東京湾で60センチ以下」とか定めるべきだと言います。気温上昇は魚の分布を変え、海水を膨張させ、地上の氷河や南北極の氷を融かして水位を上昇させます。日本でも東京湾、伊勢湾、大阪湾の満潮時の海面より低いゼロメートル地帯に4百万人が住んでいます。家が流されずとも道路や下水管などが水没すれば恐るべき事態になるのは能登地震を見れば明らかです。世界的に水面上昇の影響は大きく、バングラデシュやオランダなど低地の国には死刑宣告になると国連事務総長も訴えます。広大で関係なさそうなアメリカでも国土の10%しかない沿岸部に人口の4割が住み、ニューヨーク市も千五百年間で最速ペースの海面上昇に見舞われています。日本は毎日湯船につかる習慣により家庭エネルギー消費中お湯の比率が極端に高い。お風呂は大量のエネルギー消費をし家庭のエネルギー消費の1/3に達します。太陽熱の湯沸かしをするべきです。300ℓの湯を6m2の集熱器で温めるクラスの温水器を戸建ての家の半分が採用すれば年にCO2排出を1千万トン削減します。
家庭用太陽熱温水器
一覧へ戻る
戦後砂糖が手に入りにくかった頃日本では人工甘味料サッカリンが、味にやや嫌みがありながら止む無く使われていました。元々19世紀に生まれ欧米では第一次世界大戦の砂糖不足の中で注目されたのですが、60年代以降豊かになり肥満が問題になると体型を気にする米国女性たちに人気が復活、その後嫌みな後味の無いチクロが引き継ぎます。チクロの発がん性が指摘され市場から姿を消した後登場したのがアステルパームです。アメリカ食品医薬品局FDAは審査の後1974年に食品添加物認可をしましたが、数か月後動物実験で異常が出て認可を取り消します。しかし産業重視のレーガン政権任命のFDA長官が専門家らの意見を覆して再認可し、広く使われることになりました。1983年、ダイエット飲料を狙っていたコカ・コーラ社がこのアステルパームを使いヒット商品に。それでも安全性に関する論争はまだ続いておりWHO傘下の国際がん研究機関は4段階の下から2番目のリスクとしています。ダイエットコーク・ブーム世代が成長しやや離れる傾向はあるものの世界でのアステルパームの売り上げは今も恐るべきものです。実は人口甘味料が人間にはゼロカロリーでも、多様な腸内細菌に影響を及ぼして腸内細菌群のバランスを崩して、糖分解を阻害してかえって血糖値を上げたり、慢性的な腸の炎症や大腸がんにつながることの方が恐ろしいのです。ゼロカロリーだからと化学物質に飛びつく前に、より自然な減糖の方がお勧めです。紅麹サプリの例のように出来るだけ自然のままが良いのではないでしょうか。
千種類、百~千兆個もいる腸内細菌
鹿児島県保健センター
一覧へ戻る
皮膚は「皮」に過ぎませんが、命を守るためのいろいろな機能を持つ重要な人体の部品です。外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」と層をなしていて、真皮には血管や神経やリンパ管が通り、汗を出す汗腺、毛根や表皮を潤す皮脂腺などもあり、免疫やアレルギー反応に関する機能も備えています。その外側の薄い「表皮」が、私達が日々接している皮膚で一番外の「角質層」その他から成ります。表皮の底では日々新しく細胞が作られ徐々に上昇し最後に角質層になった後、剥がれ落ち、こうして表皮は常に新鮮に保たれます。皮脂腺からは脂が分泌され角質の柔軟性を保ち保護します。人体への手厚い保護システムが働いているのです。ところが綺麗になりたいと毎日お風呂でスポンジと石鹸でごしごし洗うと、折角分泌した脂は除去され角質の保護ができません。風呂上がりにクリームを塗るからといっても自分の体が分泌する脂がベストには違いません。もっと凄いのは「垢すり」で、ゴシゴシやって貰ったらボールほどの垢が取れたというやつで、ただ単に角質を削り取ってしまったという事です。角質層は体を守る鎧の役割ですが、これを削り取るとは恐ろしい行為です。そもそも角質は表面から常に剥がれ落ちるので、垢はたまりません。下着を手洗いすると皮膚の破片がいっぱい落ちているのが分かります。ある学者がお風呂では手でこする程度、石鹸は週一度手に付けて洗う程度が良いと言っていましたがもっともな話です。
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/ より
一覧へ戻る
喫煙者はずいぶん減少しましたが、諦めたり居直ったりで未だ止められない人も少なく無いようです。日本でも毎年喫煙関連で死亡する人は13万人ですが、禁煙後数時間から数十年までの単位で体に起こる変化を専門家はこう言っています。先ず禁煙数時間で心拍数が減り、非禁煙者の3倍程あった血中の一酸化炭素濃度が数日で正常値に下がります。数週間経つと、肺機能が改善し咳が減ります。そしてより強い運動の負荷にも耐えられるようになり、その影響で、筋力トレーニングや定期的散歩の習慣とかが身につくことが多いと言います。数か月経つと臭覚や味覚が改善したと感じる人も多いようです。禁煙が年単位で続くと心血管系の病気を発症するリスクが大幅に低下します。米国心臓協会最高責任者の心臓専門医は、禁煙期間が延びるほどリスクが低下し、10年続けると心血管系疾患での死亡リスクは63%低下するという研究結果を指摘します。20~30年間禁煙が継続すると喫煙したことのない人と同等レベルになります。肺がんによる死亡は禁煙10年で半減するし、頸部や食道などのガンも同じだとか。禁煙後20~30年するとガン死のリスクが90%低下。実際、私の周囲で肺がんで亡くなった人はみんな喫煙者でした。35歳前に禁煙出来たら喫煙経験のない人と同じ迄リスクが下がります。歳を取ってから禁煙してもその効果は大きいと専門家。何度失敗しても、諦めずにやれば報われます。
普通の人の肺と喫煙者の肺
人 健康・体力づくり事業財団のサイトより
一覧へ戻る
農家が畑で作り八百屋が売っていた時代の野菜の味を知る者にとって、それらは今日スーパーで買う匂いも嫌みもそして最も大切な味わいのない野菜とは全く別物です。理由は土の微生物が育てる野菜こで今日の農業には化成肥料が多用されます。化成肥料は水に溶けて植物が直ちに吸収できるので即効で育ち作物も収量が増します。油粕や魚粉や畜糞など有機肥料の場合は、植物の根には歯がないので食べられません。一旦土中の小生物やミミズが食べたり微生物たちが分解しないと根に吸収されないので、遠回りをして植物に届きます。利きは遅く化成肥料ほど植物は大きくなりません。例えば化成肥料によるナスの木は身長より大きいのですが、有機肥料のナスはせいぜい胸まで。ところがその遠回りの過程で根と微生物群との間で複雑なやり取りが行われ、例えばカビの仲間の「菌根菌」群は植物の根と共生関係をつくり、リン肥料のように植物が手に入れにくい栄養素を供給する代わりに植物から糖分などを貰います。こうした複雑な共生関係からできた野菜は食べると市販品とは全く味が違い、自己主張します。害虫に嫌われる成分を保有しし、これが「おいしさや香り」になり、トマト、ピーマン、法蓮草、小松菜それぞれ固有の香りが迫ります。スーパーの野菜とでは全く異質の美味しい野菜になり、野菜嫌いの子供が喜んで食べたりします。自家菜園は得難いものを得られる、これが家庭菜園を持つ人の贅沢な特権なのです。
土の中の生物群 https://oita-shizen-kome.com/ より
一覧へ戻る
戸建住宅と集合住宅の違いは、たとえ借地だったとしても土地があることです。家の周りの土地の使い方は、ただ雑草が生える邪魔な地面から庭石を配置し苔や形の良い松の木などを配置した日本庭園や芝生を植えてバーベキューガーデンであったりいろいろあります。市街地の狭小地では無理やり自転車を置くのが精いっぱいの場合もあるし、ゴルフの練習用の囲いを置ける場合もあります。そこでここでは地方都市などでいくらか余裕のある場合についてのことですが、家庭菜園をお勧めしてみようと思います。菜園の大きさは最小1mx1mでも50cmx2m でも良いです。この程度の広さでも新鮮な野菜が採れます。半日以上は直射日光が当たる場所が良いでしょう。オクラ、ミニではない大きいトマト、キュウリ、冬野菜ならブロッコリー、白菜、大根、小松菜、レタスなどどれも簡単に栽培できますし、何といっても自宅の菜園で採れた新鮮野菜は金銭でははかれない値打ちがあります。ここで、どうしても必要な「農作業」があります。菜園にする部分の土を植物が根を伸ばすことが出来るよう備中鍬で掘り返して柔らかくし、ここに日々の生ごみを埋めます。林檎の芯も魚の骨、食べ残しもすべて、更に雑草も落ち葉も埋めて土中のバクテリアの餌にします。鳥などの骨、貝殻、プラスチック類はいけません。毎日埋めているとそのうちミミズが手伝いに来てくれます。こうして宇宙で地球にしか存在しない「土」ができます。次回はなぜこの「土」が貴重なのかを解説します。
ピーマンなどは簡単に出来る
一覧へ戻る
日本人の死亡原因の最多はガンで4人に一人がガン死、胃ガンは最多ではないですが上位です。ピロリ菌感染していると胃ガンになるリスクが高いという話は知られていますが、国際研究グループの発表ではもう一つ、遺伝によってリスクが高くなるということもあるとか。遺伝と言われては親を怨むわけにもいかず手も足も出ません。ガンは細菌病ではなく、遺伝子の暴走のようなもので、体の中で勝手に細胞が大増殖してしまうものですから基本的に遺伝子が関わります。人の遺伝子は常に喫煙、飲酒を含むいろいろな要因で損傷を受けそれが蓄積するとガンに繋がります。ただ、そこは上手くできていて細胞には傷ついた遺伝子を修復する「相同組み換え修復」という機能が備わっており、普通は事なきを得ています。ところが、ピロリ菌の持つある種のタンパク質がこの修復機能を壊してしまうため、リスク要因とされるのです。そこで国際研究グループが遺伝とピロリ菌の相互関係を調べて、胃ガンに関係する遺伝子9種類とそのうち修復に関わる遺伝子4種類が分かっているので、これらの遺伝子の変異有無とピロリ菌の有無をガン患者も含む数万人について調べた結果を発表しました。遺伝子変異、ピロリ菌共に無い人に較べ、遺伝子変異をもつ人は1.7倍、遺伝子変異なし、ピロリ菌有りの人は約5.8倍、遺伝子変異、ピロリ菌共に有りの人は22.5倍の胃ガンリスクがあることが分かりました。ところで私のかかりつけ医は鼻からの胃カメラが上手で全く苦痛がありません。紹介しても良いよ。
総社市医療法人革斉会サイトより
一覧へ戻る
生まれたての動物は親が餌を採って帰るのを待つ間に体が冷えると危険です。人にもその歴史が残っていて、新生児は首、肩の辺りに燃やし易い脂肪を持っており燃えてエネルギーになって体温を維持して生き残れるようになっています。これが褐色脂肪で、成長と共にほぼ消滅と考えられていましたが近年の研究では減少するが相当量残っていて寒さによる「震え」により分泌されるあるホルモンで活性化されるらしい。代謝が活発になり、これを多く持つ人は肥満、糖尿病などになり難く長寿にも関係するらしい。ならば褐色脂肪を増やせないか。そこで学者たちは残った褐色脂肪を活性化するとか、高齢者にはほとんど残っていないので白色脂肪をips細胞を使って褐色化させて移植しようとか色々試みているようです。いつか成功すれば肥満、糖尿病、老化などに有効でしょう。一方で、おなか廻り、内臓や皮下にどんどん溜まって困るのは白色脂肪ですが、これは有用な働きをせず、燃え難くてエネルギーにもならず、肥満の原因です。よくある脂肪を燃焼させる機械や薬や芸能人が1ヶ月でスリムになったなどというCMを信じるのは勝手ですが、それほど簡単な問題ではなさそうです。ただ確実なことは一つ。活動による消費を上回る量の、過度の澱粉や、甘いもの、脂肪分の多いものなど魅力的なものを食べないこと、または食べたものを使い切る運動をすることです。消費されなかったものは殆ど燃えない白色脂肪になって蓄積します。
肥満女性のMRT画像。白い部分はみな白色脂肪
一覧へ戻る
24年9月にシンガポールに旅行しましたが、中部国際空港で愕然としました。出発ロビーの売店にはシャッター、国際線駐機場にはポツンと1機、乗客は大半が外国人。以前仕事で来ていたシンガポールや香港では、え!これがこんなに高い?と仰天。これには単純な一時的円安では済ませられない問題があります。5年前と較べ、シンガポールドルは25%、香港ドル、米ドルは30%、ユーロは25%も値上がり、日本の価値がそれ程低下していると世界が評価しているのです。2010年にビッグマックが日本では$3.9、米英では約$3.7と日本の方が高い、それが2021年には日本$3.6、米国$5.7、韓国$4.0、23年の日本では$3.1、諸国の支払力が上がる一方で日本はどんどん下がっています。お家芸だった半導体でも技術的に取り残され、台湾のメーカーに日本に工場を作って下さいとお願いする始末。輸出力を誇っていたとき更に技術革新と生産性向上をしなくてはならなかったとき日本はアベノミクスで円安と低賃金に走った結果が今日の姿だと説く野口悠紀雄一橋大名誉教授の見解に私は納得します。toyokeizai.net/articles/-/458676 外国へ行かなければ問題ないか?今日、私たちの暮らしは輸入に頼っています。石油、ガス、鉄鉱石、穀物、化学製品、半導体。野菜や牛乳は国産?でも肥料・飼料は輸入です。これらすべてが20~40%値上がりするのですから当然生活は苦しくなります。賃金が40%上がれば良いのですが。預金しておいた退職金も年金も保険金もひたすら目減りする一方です。23年のGDPがドイツに抜かれて4位に低下とメディアが騒ぎましたが、人口が日本の3分の2しかないドイツより低いということは一人当たりのGDPは遥かに低いという事です。政治は他人事ではありません。
朝日新聞デジタル版 橙色は筆者が追記
一覧へ戻る
栃木県那須塩原の田舎で小さな村のような学校法人アジア学院が50周年を迎えました。途上国の農村などから若者を招いて農村指導者を育成する活動をしており、今年はネパール、シエラレオーネ、カメルーン、エクアドルなど14カ国から27人の学生と3人の研究科生とが来ています。それぞれが帰国後地元の生活改善の指導をするので最新型機械農業は意味がありません。学生は学院の有機農場で農作業に従事し、小規模農家用の機械や道具を使って作物、野菜、畜産物を生産します。私が子供時代に見た、籾殻と玄米を手回しの風で吹き分ける唐箕と呼ぶ木製装置を久しぶりに見たのもここでした。バナナの幹や果実を発酵させて豚や鶏の飼料にしたり、魚からアミノ酸を作ったり、日本に昔から伝わる農業手法で籾殻を炭にしたり、米糠などを利用して有機農業に不可欠な発酵肥料を作るなど土や人や環境に優しい農業技術を試したり実習しています。学生は農学、社会学などの書籍のある図書室やパソコン室なども自由に利用できます。私が関係したのは東北地震と原発事故で、建物が壊れ土地が汚染された後に、ドイツの団体が再建資金を寄付してくれる条件に弊社の太陽熱暖房システムを認めて貰った時からです。国の補助金は無く施設に世界から建設寄付は貰えたが運営費用は自前でという厳しい条件下で世界に認められる立派な活動をしています。ari.ac.jp/ サイトから幾らかでもご支援下さい。結構面白いのが scrapbox.io/ARI-Grad-Knowledge-Base/ google翻訳でどうぞ
民族衣装のアジア学院23年の新入学生たち
一覧へ戻る
世界中に語学学校を持つ大手私立教育機関EFエデュケーションファーストは23年の英語力調査で日本は113国中87位(英語母国語圏は除く)と11年の調査発表以来過去最低と発表しました。アフガニスタン、ミャンマーなどと仲間で、韓国、ヴェトナムにはずっと後れを取ります。でも英語は英米の言葉ではなく今や世界共通語になっています。私達の殆どが6年以上苦労して英語を学んだのになぜ?1つの理由は、文部省や教育委員会にあります。会話できる英語ではなく試験用・論文用にしてしまいました。こむつかしい文法を誤ると✖になるので口を開く前に考えてしまいます。政府は国民に英語を話させないように言語鎖国をして、世界の不都合な情報を知られないようにしているのかと筆者は疑っています。もう一つのダメの理由は会話の機会がないことです。日本人が英語を使えないのは知らないからではなくて自信が無いからです。殆どの人にとって日本から一歩も出ず日本人同士で暮らせます。どうせ円安で海外旅行に行けないし、ツアーで行けばガイドさんが守ってくれる。でも言葉は人と人の交流の道具、私達の世界を拡げてくれるものです。特に今日のように世界の中の日本になった時代には鎖国は成り立ちません。Long
time no see (お久しぶり)と言う言葉があります。文法はめちゃめちゃですが堂々と通用します。外国人に道を聞かれたら逃げ出さずにお話ししましょう。ちゃんと通じるから。子供とYoutubeにある英語の歌を一緒に歌いましょう。
おすすめの子供歌 500 Ducks Youtubeより
https://www.youtube.com/watch?v=6VklRp158A4
一覧へ戻る
米国アリゾナ州のPさんは昨年1月2人目の妊娠が判明。お姉ちゃんは未だ2歳前なので大変だなとは思いましたが普通にツワリもあって進行。21週の検査で頭がやや小さいと分かり、彼女が子供は全前脳胞症だと宣告されたのは最高裁が女性の妊娠中絶権を否定する1週間前でした。生存は見込めず、医師に中絶を進言されました。そこへ最高裁が50年続いた中絶権を覆し、大混乱になりました。アリゾナは保守の州、医師は涙声で中絶できなくなったと断ってきてコロラド州の中絶医院のメモをくれました。処置費と交通滞在費で2万ドル、途方にくれましたが周りの人々がカンパで寄付してくれました。けれどその医院が中絶反対派の襲撃を受けて行けず、結局資金は他の困った女性たちの為に寄付しました。それからの14週間は地獄でした、とPさん。37週で生まれた子は2日で死亡。費用は全額自前。この件が朝の全国番組で放送されましたが人々は「子供に会えてよかったよ」とコメントしました。冗談じゃない、息もできず乳も飲めず苦しんで二日泣き続けて死んだのだ、顔も無かった、と。終身制の最高裁判事の死亡による交代が起きたのを好機とトランプが9人の判事の保革バランスを崩してしまったのが元凶で、こうした国論を2分する判決が次々に世を騒がせています。当のトランプは次期大統領選候補として一番人気だとか。これが多くの日本人が世界で最も進んだ国と信じているアメリカです。
注)医学的状況により日本でも全前脳胞症の子が誕生生存している例はあり、本文は全前脳胞症の子は中絶が当然と言おうというものではありません。大統領選で宗教保守派の支援を得たトランプ氏がたまたま死亡したリベラル派の判事の死亡を機に保守派判事を指名、これにより最高裁判事の保革バランスが6対3に崩れたことで、女性に妊娠中絶の権利を認めた1973年のロー対ウェード判決が覆されいくつかの州で中絶が禁止になったことを想起して頂こうという意図の投稿です。
全前脳胞症 米国立生物工学情報センターより
(医学画像です。取扱注意を願います。)
一覧へ戻る
日本の男性の66%、女性の50%が癌にかかり1/4が癌死します。癌の腫瘍が1cmになるには10年以上掛かりますが、小さくて発見不能な1~2㎜の癌でも微量の癌細胞を血流に侵入させます。これを血液循環腫瘍細胞CTCと言い、体内をめぐって転移しますが癌死の大半は転移によります。乳がん患者対象の研究で、CTCは夜明け直前の睡眠中に放出されることが分かり、しかも夜明けのCTCは転移力が強く攻撃的だとか。しかし睡眠は、がんから身を守る強い免疫系を促進します。人が十分な休息をとったときに免疫系は最もよい働きをします。脳には2万個の時計神経細胞群がありこれが「体内時計」を動かしています。これが光と闇を見ながら睡眠ホルモン(メラトニン)を分泌したり食欲のホルモンやストレス対抗ホルモンを出したりしています。その乱れ、例えば昼勤と夜勤を交互にするとか、が癌のリスクを高めます。国際線客室乗務員や看護師は乳がんのリスクがやや高いようで、交代勤務などは前立腺がんや他のリスクも上がります。人体の細胞はこの時計を読めますが癌細胞はできないのになぜ夜明け前が分かるのか。どうも敵はホルモンの分泌から知るらしい。ところで、上記のCTCを調べることができれば、癌の発生を早期に発見できるのでは?PET検査でさえ発見できる腫瘍は5㎜以上ですが、これなら2㎜でも分かります。という訳で現実に「CTC検査」をやる機関が複数ありますがお金はかかります。やりますか?
国立がんセンターより一覧へ戻る
女性の社会進出とともに、パートナーと家庭を持つ年齢が上がり出産を希望する年齢も上がり、その結果受胎能力がピークを過ぎてしまう現象が世界中で起きています。受胎能力は10代後半から20代後半までにピークになり、その後は低下度が強まります。研究では1年の内に妊娠する率は20代で85%、35では66%、40になると44%になります。女性が生まれたときに卵巣内の卵子数は百から二百万、これが思春期になると三十~五十万に減少、以降減少の一途、その上月経のたびに十~二十の卵子を失います。37歳では卵子数は2万5千個、閉経期には千個ほどに減ります。しかも加齢と共に染色体に異常のある卵子の割合が高くなりますが、こうした異常卵子は殆ど受精できず、着床できても流産し易い。喫煙、環境有害物質、多量の飲酒、肥満なども受胎能力に悪影響を及ぼすので、若いうちに卵子冷凍保存する人も増加。男性の精子も急速に減少中で大問題です。ただ日本には出産減少には別の問題が。6割の人が「子を産み育てにくい国」と思い、教育費などの経済負担と幼少期の労働負担ゆえに希望の子供数を持てない人が65%、結婚しても子供は持たないという選択も増加。先進29か国の女性の働きやすさ比較では、男女給与格差や、上位国が持つ「質の高い育児休暇制度や柔軟な勤務体制」の欠落で、毎回韓国と共に最下位。もはや保育の次元ではなく高等教育期まで考えた政策が必要で、問題は政治の貧困なのです。
女性議員が過半数のネバダ州議会で子供を抱いて演説 中日新聞
一覧へ戻る
誰もが泣きじゃくる赤ちゃんに苦労します。赤ちゃんが泣くときは眠い場合が多いのですが、ある国際研究チームが上手く寝付かせる研究をしました。10年ほど前に、抱いて歩くとおとなしくなる、までは分かったのですが、歩行時間20秒ほどしか調べなかったので十分ではなかったと、再度7ヶ月以下の赤ちゃんで追加調査をしました。泣いている赤ちゃんを「抱いて歩く」「抱いて座る」「ベッドに寝かす」「乳母車で動かす」などを試した結果、泣き止ませるには「移動」が効果的だとわかりました。抱いて5分歩いたところ45%が眠り、もう1分歩くと64%が眠りました。急な方向転換をせず、揺らさず、淡々と歩きます。泣いていない赤ちゃんを抱いて歩いても眠りません。せっかく寝かかった赤ちゃんをベッドに置いたときに目を覚ますことは多く、背中に目覚ましスイッチとか言われますが、そうではなく、親と体が離れる瞬間が不安を作り血圧が上がり目覚めることも分かりました。やはりお母さんへの信頼は絶大です。寝付いてからベッドに置く前に抱いている時間が3分のグループと8分のグループで比べると前者は起きてしまうことが多いと判明。泣き止んだら抱いたまま座って5-8分待ってからベッドに移すと良いようです。母親でなく父親でも祖祖父母でも効果は変わらないそうですが、全く泣き止まない場合は医学的な原因を調べる必要があるかもしれません。
写真を見ただけで恐怖を感じる人もいるでしょう
一覧へ戻る
暑くなると良く言いますが、私には疑問です。人は定温動物なので体芯の温度を一定に保つため暑くなれば血流を増やして手足や体表からの放熱を増やします。それでも追いつかないと次は汗をかいて気化熱で冷やします。そこで水分の補給が必要になりますが、舐めたら分かるように汗は水分だけでなく塩分も排出します。人によって汗の塩分は異なり子供は少なめ、高齢者は多いようです。汗で塩を出して一方で水を飲めばどんどん塩分が失われ体液が薄くなります。すると体は体液を濃くするため余分な水分を捨てようと更に汗を出しますがここで更に塩分を失う。悪循環になってしまいます。汗をたくさんかくときは、水分補給だけ、水やお茶だけではなく経口補水液とかスポーツドリンクや食塩水を飲むべきです。スポーツドリンクは1ℓに塩1グラム強の塩が入っています。水1ℓに食塩9グラムの食塩水を生理的食塩水と言い、体液と浸透圧が等しいので医療の点滴ではこれに薬剤を混ぜて注入します。汗はこれ程濃くないですがそれでも塩分補給は必要です。刀鍛冶など昔の鍛冶屋さんは職場に塩のツボを置いていたし今でも炎天下で働く職人さんは塩を携行しています。汗をかきながら水やお茶だけ飲むのは危険です。真夏に水を飲みながらテニスをやってぐったりした経験があって、塩をなめたら回復しました。小学校の体育など特に要注意で、熱中症防止のため塩や粉末のスポーツドリンクを用意しておいた方が良いのでは。
暑いとき頑張れば汗をかく
一覧へ戻る
世界最大のイスラム人口のインドネシア。ジャワ島西南海岸で人口1千万人の首都ジャカルタは南側の山地から来る13の川が作ったデルタにあります。3千万人を超える首都圏人口が東京首都圏の1/3の面積に密集しますが、この街が水没しつつあります。もともとデルタは上流からの土砂が堆積してできるのですが、1619年にここを植民地にしたオランダは洪水対策で運河を作りオランダ型都市にしようとしたのですが、これによりデルタへの土砂堆積が停止しました。途上国の首都圏は何処もそうですが、インフラ整備も無いまま無秩序な人口集中が起こります。水道は街全体の40%にしか行き渡らずあとは井戸頼み。深くないと塩気が抜けないので150m級の井戸が1998年で4千弱。地下水の64%を既に汲み尽くしたと言い、これが地盤沈下を更に推進、市の北部海岸地区では年に28センチの勢いで沈下、市の40%は既に海面下です。政府は数十キロに及ぶ防潮堤の嵩上げを進めますがその足元の地盤が沈むのですから場当たりです。45年にはボルネオ島に首都移転をすることになっていますが、そちらの地元民は環境と生活の破壊を恐れます。貧富差の激しいジャカルタの上層や大企業は歓迎しますが、人口の大半を占める貧側にすれば沈む地に取り残され引っ越すという選択肢はありません。毎日のような太ももまでの浸水の中で、彼らは自分達で瓦礫や貝殻で地面を1mほど嵩上げしているとか。
水没して使えなくなったモスク ナショナルジオグラフ
一覧へ戻る
1973年と2011年の欧米系男の比較調査で1回の射精における男性の精子が半分以下に減っているとの研究報告が5年前に出ました。危機感を持った研究者達は、更に範囲を拡げて、2014~19年に掛けてアジア、アフリカ、中南米も含め1万4千人以上を追加調査したところ、回復どころか70年代に比べ62%減少、しかも2000年以降は1年ごとの減少率が倍増して精子減少の速度が速まっている、という恐るべき結果が出てきました。このままでは人類滅亡の危機が現実になりそうな気配です。研究に携わった学者は殆どの男性が不妊になる恐れがある、と言います。現在でも男性原因の不妊は女性原因とほぼ同じ率で、今のペースで精子が減ると男性原因が主流になるかと。現に日本、イタリーなど多くの国で人口減少が起きています。先進国の人口が減りアフリカなどの人口が増えるというのは誤った見解で、南半球の男性でも減少が見られます。農薬に晒されるとか肥満によって精子濃度が低くなり泳ぐ力も弱化ということも研究されていますが、これほどの急減少に答えはありません。英国の作家P.D.ジェームスの、映画化もされた小説チルドレン・オブ・メンは、地球最後の生誕が15年前に終わり赤ん坊の泣き声を人類が聞かなくなった世界を描いています。不妊世界の当初は「人口が減った方が環境は良くなり、経済の取り分も増える」と思っていた人が多かった、と書いています。何もできずに人類は滅亡に向かうのでしょうか。
ヒトの精子 ナショナルジオグラフィック誌
一覧へ戻る
飽食の時代で血糖値や糖尿病が気になり、TVでも糖ダウンなどCMも見られます。以前から大食の米国では肥満や糖尿病が国民病で、防ごうと古くから人工甘味料が使われました。なにせ学校給食でコークがぶ飲みの国ですから。戦後の砂糖不足時代に日本に入ってきたサッカリンもその一つで、一時マウス実験で発がん性が見つかり、禁止しようとしたら何百万もの抗議の手紙が届いたとか。結局人間には発がん性はないと判明し今も使われます。身近な人工甘味料ではダイエットコークです。さて、人間は体の随所に微生物群を抱え共生しています。腸に住む腸細菌群も多種の菌が互いにバランスをとって活動しています。人工甘味料は人にはカロリーゼロですが一部の腸内菌には栄養になってしまい一部の菌だけが増殖しバランスが狂います。そのためマウスに人工甘味料を与えると食後血糖値を下げにくくする効果が見られました。通常、血糖値は食後15〜30分でピークに達し、2〜3時間以内に普段の値に戻りますが、血糖値が高留まりし体が過剰なブドウ糖を適切に処理・貯蔵できない「ブドウ糖不耐症」が起きました。カロリーゼロのつもりが、逆効果。腸内細菌群に生じたアンバランスにより血糖値を下げる力が落ちてしまったものと考えられます。血中ブドウ糖は長く留まるほど糖尿病、心血管疾患、腎炎などのリスクが上がります。人体へ影響はまだ確認されていないようですが、人口甘味料に頼らず、糖食を抑えるのが正当です。
人の糞の顕微鏡写真。多種多様な腸内細菌がいます
一覧へ戻る
鋭い味覚を持つ筆者の妻は「うちで採れた野菜はアクや香りが買ったのと全然違う」と言うし、差し上げた人からは「お宅の野菜は主張している」と言われます。露地で有機栽培だからか、と思っていたら、多くの野菜、果物、穀物で含まれる栄養分は数十年前に比べて減っていることが、科学者らの研究で分かったとの記事がありました。何種かの調査で、小麦に含まれるタンパク質が20年間で23%減少とか、スィートコーンやカリフラワーの鉄分が30~50%減、その他ビタミンB2、カルシウム、ビタミンCなど多くの減少が見つかっています。今の農業報酬は作物の重さで決まる、そのためには農地からできるだけ早く、多量の作物を得なくてはならず、肥料を多く与えて早く太らせることになります。土壌には糸状菌などが居て、植物の根に取り付いた菌根菌がリン酸や窒素を宿主の植物に供給したりして複雑な共生環境を構成し、植物はいろいろな栄養素などを入手しますが、多量の肥料を食わされて太らせられれば、こうした過程を踏む必要はなく菌根菌らと共に作る複雑な各種栄養の入手は不要になり、その結果このような栄養不足が広がってきたらしいのです。豊かな国ではその分いろいろ沢山食べれば良いのですが、世界の貧しい国々では殆ど穀物デンプンだけで生活する人々も多く、そんな中で穀物のタンパク質含有が20%も減ったとなると危険です。栽培植物の栄養低下は人類にとってとても危険なのです。
自然豊かな土壌が栄養のいい野菜を生む(ナショナルジオグラフィック誌)
一覧へ戻る
TVは見る価値なしとBBC放送ばかり見ていたら、NHKが立派な放送していました。1つは3月程前の「戦争証言アーカイブス」。存命する直接戦争に関わった人々の証言を綴ったもので、軍上層の人々や戦場で言葉にできない程の悲惨な状況を強いられた人々の証言です。これを基にして8月、敗戦を記念して太平洋戦争特集も放送されました。勝ち誇った真珠湾攻撃のたった半年後にミッドウエイ海戦で喫した決定的敗北、その直後に生き地獄となったガダルカナル島、16万人が落命した無謀なインパール作戦、それらの隠蔽など。そこから見えるのは、今も続く慢心、硬直、権力への忖度、鎖国の心で、それが三菱の飛べなかった飛行機、近年の半導体競争からの落後などに現れます。もう一つは今も続く「映像の世紀
バタフライエフェクト」。占領したテニアン島で小学校教育をしたムックと教え子たちとの感動の再会、天皇の戦後巡幸を促したケーリ、川端康成をノーベル文学賞に導いたサイデンステッカー、文学者キーン等元情報士官たち、国連難民高等弁務官の緒方貞子、ベルリンの壁崩壊を見た東独の物理学生アンゲラ・メルケル等々。ただ許せないのはこれらが夜遅く放送されていることです。BBCのように誰もが見やすいゴールデンタイムに繰り返し再放送されるべきもので、戦争を知らない世代も子供たちも見なくては。国民は軽い番組しか見ないとNHKは思っているのでは?。幸いこの多くをNHKのサイトで見ることができるのが救いです。
ガダルカナル島の戦い(文春オンライン)。
一覧へ戻る
香港へ行けば日本では味わえない美味しい料理が楽しめます。ガイドさんに案内されてではダメですが。コロナ以来動けなかったけど規制が緩み航空便も再開したので、香港へ遊びに行こうと思い立ち調べてみたら大変!まず、出発前に所定のワクチンを所定回数以上接種した接種証明書を用意します。出発24時間以内に抗原検査(RAT検査)を行いオンラインで「健康・検疫情報申告書」をして臨時の「健康申告QRコード」をダウンロードし、これを空港のチェックインに示すと搭乗ができるようになります。以後ずっとサージカルマスク着用が必須。飛行機を降りたらPCR検査を受け、結果を待つことなくイエロー(黄信号)のワクチンパスをダウンロードして入国審査を通過します。翌日になったら滞在ホテルでRAT抗体検査をしてネットを通じて報告します。出歩くのは可能です。翌日滞在2日目になったら、市街にあるPCR検査場に行って検査を受けます。滞在3日目また抗体検査をしてOKの報告をすると朝9時にイエローがグリーンに変わります。問題はグリーンに変わるまではレストランで食事をすることが許されません。どうしても食べたければテイクアウトをしてホテルに持ち帰って食べなくてはなりません。またその後も滞在中は毎日抗体検査をしてネットで報告しなくてはなりません。万一感染したら牢屋かな。冗談じゃないよ、誰がそんなところへ行ってやるもんか!中国支配の恐怖!食べ損なったうちの奥さんは「よくまあ暴動にならないねー」と言っていましたが、現実に暴動も起きています。ちなみに欧州、米国、豪州などはワクチン証明も不要です。
もう行けないか?大繁盛の香港の飲茶レストラン
一覧へ戻る