チリウヒーター ソーラーシステムで60年の実績
 地球環境から身近なことまで熱い思いを語る…2011


2011年
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2011年
12月 面白くない民放テレビ
面白くないテレビから離れる人が近年急増だそうだ。どの局を選んでも、お笑い芸人が自分たち同士でげらげら笑っていて、どうして私があんなのを見なきゃならないの、と怒っていた人もいるし、業界の人からも民放の凋落がひどいと聞いたこともある。ところが背景には総務省とマスメディアの固定権益に守られた日本固有の電波割当ての問題があるらしいことを知った。電波は限られた公共の資産でありその割り当てをOECD諸国の殆どがオークションで決めるのだが、日本では総務省官僚が利権をしっかり握って裁量で決める。マスメディアも仲間だからこれが批判の対象になることは無く、もちろん天下り先もきちんと確保されるというお決まりのパターンである。いったん獲得した権益を持てば無条件継続で何をしても自動的にCM料は転がり込み、ならば苦労して中身のある番組を作らずとも安価な芸人を使ったり韓流を流したりすればいい。問題は、原発でもそうだが、背景にはつねに改革を嫌い公益よりも仲間内の利益を守る官僚の姿があることで、この場合は総務省である。本来は彼等官僚の力を国益に、改革にと向かわせるのが政治の役割だし、それを期待して政権交代をさせた筈だったのだが、彼等は簡単に保守官僚の子分になっちゃったみたい。とりあえず僕はCSスカパーのテレビを見ます。
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12月 新型ハイテク機か、それとも乗り心地か
BBC放送などでは、キャセイとか大韓航空とか航空各社のCMがよく出て、我社の座席はこんなに良い、乗組員のおもてなしは心が篭っている、ドバイにはこんな楽しみがいっぱいある、などと誘う。一方で最近全日空に世界初のボーイング787が入り、よほど誇らしいらしくテレビや電車の中でも頻繁に広告している。曰く、新素材で軽量低燃費、日本の素材技術などなど、そして空高く飛ぶ航空機の映像。日本人的なハイテク好みなのだろうが、僕は見るたびに「それがどうだって言うの?」と思う。炭素繊維でも低燃費でも、だから乗りたいかと言えば違う。それより足元が広く少しでもリクライニングし、気持ちよく乗れるほうが良い。外国便の乗り心地アピールCMの方がまともだと思う。
考えてみれば、家づくりも同じだ。太陽光発電に多額の資金を投じ、誰が使うか分からない電気を作り、夜中の原発電気でお湯を沸かし、光熱費の節約?ハイテク的かも知れないが、でもそれで貴方の暮らしはどう変わるの?と疑問を禁じえない。我らがハイブリッドソーラーハウスはローテクだけど、建てた人が皆、こんな気持ち良さはもう離れなれない、人生が変わっちゃった、老後も安心、と手放しだ。この違い、全日空の新型航空機広告と外国航空会社の乗り心地広告との視点の違い、もっと言えば機械と人とどちらを見るかの違いと全く同質のもののように見えるのだ。
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11月 ニュースの深層
CS放送朝日ニュースターの「ニュースの深層」なる番組が人気を集めているらしく、最近は僕も殆ど毎回見ている。毎回多様なゲストインタビューによって原発にもTTPにも人権にも経済・社会問題にも切り込むし、大手メディア批判やメディアを御用広報機関にしてしまう記者クラブ問題にも切り込む番組姿勢は、毎回大当たりとは行かないかもしれないが評価できる。日本人の多くは正しさを好むまじめな人達で、僕にはこれらの番組がそうした人々に受け入れられないとはとても思えない。この番組の取り組みのようなことこそ、体制を監視し隠されそうな事実を人目に晒すというメディア本来の責務だと思う。
ところが、こんな番組がなぜCSというマイナーな、いわば陰のようなところでしか見えないのかという点が不満である。他の番組も含んで朝日ニュースター自体も評価は高いらしい。こうした番組を表通りのテレビ番組に載せて貰えば日本人は評価をする筈だし、現場で番組を作る人達も本当はそうしたいのではないかな、と思うのだが。東電や経産省と同様、本社上層が良くないのかも知れないなー。
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11月 ドイツはフランスから原子力電気を買う?
ドイツの脱原発が報じられた時、どうせドイツはフランスから原子力の電気を買うだけだ、と冷やかした人は多い。僕は3月17日にドイツで再会してご馳走になったPeter Beck氏から興味深い資料を貰った。出典はドイツの再生エネルギー専門誌からとある。
グラフ1は2007年7月一週間の電力供給で、昼に増え夜減る、又週末に減る様子がわかる。下の水平欄は下の明るい部分が原発、上の濃いほうはドイツで豊富にある亜炭火力で、いずれも増減調整困難、これらをベースの電力としている。亜炭の上は天然ガスなど、その上の黒いのから順に、水力、バイオマス(木材など)、陸上風力、海上風力、一番上に昼間だけ乗っているのが太陽光発電だ。亜炭は露天掘りによる環境破壊が問題で、ドイツのすねの傷と言われるものである。
グラフ2はドイツ環境省の2020年の予測である。特に陸上・海上の風力が大幅に増えることで、ベース電力として亜炭だけを使えば原発はもはや不要なことが分かる。
ドイツ連邦再生エネルギー協会(BEE)はもっと強気でグラフ3を主張する。すなわち、風力を中心に更に再生エネルギーを増やせると見て、ベース電力自体が不要、原発はもとより亜炭発電も不要という体制に入るとしている。
この通りになるかどうかは知らないし、自然エネルギー特有の変動性が解決できるかも分からないが、チェルノブイリ以来の実績に裏付けられた再生エネルギー利用促進の意欲は並々ならぬもので、フランスから原発電力を買うのだろうとか、自然エネルギーは不安定で高くついて使い物にならない、などと何かと他国を侮るのは止めたほうが良いだろう。

↓↓クリックすると、大きな画像で見られます

グラフ1
 

グラフ2
 

グラフ3
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10月 有機野菜とは何か?
庭でほんの7−8坪の菜園をやっているが、近年順調で殆ど野菜を買わない。順調の理由は15年以上に亘り、雑草や剪定した葉や生ごみで作った堆肥を大量に投入し続けたせいらしい。それで「有機野菜ですね」と言われるが、納得できない。例え有機肥料でも、根は直接それを食べられない。バクテリアやミミズが食べて分解し、無機成分になったものを水溶液として吸収するのだから、化学肥料や水耕栽培と変わりはない。ただ、堆肥を多量に混ぜ込むとえらく植物が元気になるが、どうやらこれは根の活動が自由になるかららしい。農業経験者のおばちゃん達はこれを土がふかふかになると言う。堆肥は熟成の過程で分解してしまったカスの様な物で肥料ではない。それにしても、うちの野菜は凄い。料理専門家のおかみさんは「うちの野菜は自己主張している」と言うが適切な表現で、まず香りは50年以上昔のような、いかにもトマトらしく、いかにも人参らしい香りが凄い。またひどく丈夫で、きゅうりなど丸ごと糠床に入れておいたら10日経っても漬かる気配がないし、なすはもっとひどい。しかもちっとも傷まない。そう言えば子供のころきゅうりの糠漬けは縞状に皮をむいて漬けたことを思い出した。
僕の説はこうだ。野菜を美味しくするのは紫外線や害虫や寒暖による攻撃に曝されることである。温室のガラスなどを通過すると紫外線は激減する。虫に襲われれば毒を出して自衛し、それがそれぞれの野菜の香りや味になる。紫外線を浴びると人間同様に皮膚が丈夫になるのかもしれない。外国で野菜を食べると高級レストランでも平気で虫食い穴のある野菜を使うが、とても香りがあり風味がある。野菜は穴がなく真っ直ぐで大きさが揃ってなくてはいけない、化学物質は悪で有機がいい、冬にトマトやナスを食べたい、などと言っているうちに、日本人はじかに太陽を浴び、虫に襲われて育った本当の野菜の味を失ってしまったのではないか。
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9月 公共交通機関の台風対応は適切か?
今年は出張が見事に台風に当たることが多い。9/21の夕方、東京多摩の客先へ到着したとき台風15号の風雨が強まった。東海道新幹線の停止は想定していたので、そこで予定の第2案、都心へ戻って宿泊しようと思ったら、なんと私鉄も地下鉄も全部停止。レンタカーも近隣ホテルも全滅。渋谷で街路樹が倒れたというものの、あの程度は昔からよくある普通の台風ではないか。幸いなことに息子の家に連絡が取れて隣町まで送って戴き、着いたときにはもう雨も風も止んでいた。それなのに交通は依然停止していて9時頃にやっと徐々に運転再開。近隣駅に送って貰い10時過ぎに新宿に着いたら、なんとタクシー待ちの長蛇の列、駅のホームもラッシュアワー並みの大混乱、地下鉄も一部しか動いていない。延々歩いてやっとホテルに夜中に着いた。翌日の東海道新幹線はお盆休みを上回る満員。
近年の日本の安全志向は良いとしても、その裏側の責任回避志向、ガチガチのマニュアル主義は、ちょっとおかしいじゃないか、過剰じゃないかと思う。高架橋の上で追突して墜落した隣国の鉄道を見て、あんなことは日本では有り得ないというが、そりゃあ、止まった電車に事故はなかろう。その一方で、世界有数の大都市におけるあの悲惨とも言える大混乱を見ると、公共交通機関としての重要な機能を余りにも簡単に放棄しすぎではないかと思う。台風大雨の中を普通にビュンビュン走れという気はないが、速度を一段落しての運転とか、大都会で働く驚異的な数の人達をなんとか家に送り届けるための努力がもっとあるべきだと思う。コンプライアンスも良いけど硬直的にリスクゼロを求めると犠牲も大きい。
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9月 国民として意思を示す
菅直人前首相が9月5日、朝日新聞のインタビューに応じ、様子が紙面に出た。
http://digital.asahi.com/articles/TKY201109050711.html で読めるが、“前首相 インタビュー 朝日”と検索するといろいろ出てくる。フリージャーナリスト上杉隆などは怒りまくっていたが、僕の感想は「結構面白い」であった。東京電力本社の隠蔽や現場乖離、安全保安院の無能、経産省の陰謀的原発推進と、きっとそうだろうと思っていた通りのことを語っていた。ならば、なぜ首相たるもの、彼等を押え込み国民の喝采を浴びることが出来なかったのか、である。未熟、指導力欠如と言うのは簡単だが、心せねばならぬことは、50年以上にわたって政治家を操り、国を思うままにしてきた経産省上層や原発村と戦うには、ガダフィ大佐と戦うぐらいの覚悟と厳しい戦いが要るということであろう。前首相は「脱原発へやれるところはやったが、最終的には国民の判断だ」と言うが、それはそうだ。経産省は枝野新大臣に対策を固めるようで、国民に電気量値上げとか節電要請とかいろいろ嫌がらせをするだろう。原発問題の根元にある問題は発送電の分離や独占の排除である。枝野氏には優れた民間ブレーンや改革派官僚たちでしっかり武装して戦うことを期待したいが、原発事故後のうつむいた記者会見を思うとどうかな?結局、なにより私達が意志を問われていると考えるべきだ。
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9月 日本の報道精神とは
チュニジア、エジプトから始まった「アラブの春」は民主化の嵐を起こしつつ遂にリビヤへシリヤへと拡大している。凄いのはBBCやCNNなどのメディアである。エジプトではデモの中心になったターリール広場で特派員(男性も女性も)が騒動の真っ只中で取材し、参加者にインタビューする。リビアでは女性特派員が防弾チョッキにヘルメット姿で、西へ攻撃に向かう反乱軍と一緒に車を飛ばす。そのうち前方でドカーンと爆煙が上がり、みながUターンして逃げてくると、一緒に首をすくめて逃げる。これこそ報道の精神かと恐れ入ってしまう。最近、日本のテレビがリビヤから実況していたが、場所ははるか東のすっかり安全になった町からだった。東日本の津波でも福島でもカメラをかついでつっこんで行ったのは海外メディアだった。日本の海外特派員は座してロイターの記事が来るのを待つのが仕事と聞いたことがあるが、海外取材の力がないならアラブの報道はBBCでいいとしても、国内ぐらいは電力会社のカネに支配されて国民騙しをしたり、記者クラブで保護されて粛々と大本営発表をするのではなく、スポンサーや視聴率の顔色を伺うのではなく、現場取材で裏側をえぐるというメディア本来の役割をしないと社会を守るという大切な役割の放棄になる。東京電力の記者会見では厳しく迫るフリーの記者に「いいかげんにしろ」と罵声をあびせて邪魔していたそうだが、それが落ちぶれた日本のメディアの姿か。
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8月 本当のことは何も伝えない
経産省の古賀茂明氏や元経産省現慶応の教授、岸博幸をご存知か?「私が人事権者だ」と海江田経産大臣が「更迭」したとされる経産省の3人の幹部(事務次官、資源エネルギー庁長官、原子力安全保安院長)移動は実は通常の定期異動で、後任も予定の流れと言う。彼等は原発事故の張本人達で、菅直人は、事故調査委員会の進行に合わせ彼等を処分する気だったらしいが、官邸の魔の手が及ぶ前に、経産省幹部に乗せられた、又は共謀した海江田によって無事救出され、6〜8千万の退職金に加え勧奨退職(肩たたき)として更に約20%の上乗せを貰って無罪放免になった。盗人に追い銭、払うのは国民。脱原発の菅直人は去る。かくて問題の「原発村」は温存され、東京電力のつけは国民が末永く税金で負担することになる。これで小沢・海江田組などとなったらこの世は闇だ。
関心ある人も、無い人もぜひここらをご覧頂きたい。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/11761
http://diamond.jp/category/s-kishi
http://getnews.jp/archives/136533
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011080502000060.html
この辺りから手繰れば出るわ、出るわ。日本の新聞やテレビは、紳助引退以外に本当のことは何も伝えないと承知するべきだ。

追伸
8/29、多くの国民がほっと一安心した日でした。
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7月 諸悪の根源のようだけど
外国で津波の直後に首相の最低な演説をBBC放送で聞いて国辱と思った。今、誰に聞いても菅直人は悪くて一刻も早く辞めるべし、と言う。ところが、どこが具体的に悪いのか、と聞くと明確に答えた人を知らない。皆、メディアの作るムードでそう思っているのではないか。メディアで評論家などがこき下ろすと、どうもあの人が諸悪の根源みたいな雰囲気になるが、原発推進をやってきたのも事故を起こしたのも、津波を起こしたのも菅直人ではない。新興国のように経済成長しないのもデフレムードも以前からの話だ。周りのチームを上手く纏めず一人で勝手に色々決めるらしく困った人らしいが、国民はそれでどんな被害を受けているのだろうか。確かに、ことの進め方が悪いか下手なのだろうが、やろうとしている方向は妥当な方向だと思う。先進国中でも異常な程に高齢者側に偏りすぎた福祉を是正しようとする子供手当は妥当だと思うし、消費税上げも農家に不評なFTA も避けて通れないだろうし、「脱原発」は正しいと思うし世界の趨勢だ。なんでも大手メディアの言うなりになる時代は終わりにして、あの人物が私たちにとって具体的にどう有害なのか指摘して欲しい。

原発依存から脱しようという菅首相の「個人的意見」とかが、日経の「それでは産業が滅びる」からワイドショーまで広くメディアに話題を提供している。この脱原発を論ずるとき欠かせないのが「ではどうするのか」であるが、メディアを見ていて日本人は「世界で多様な再生可能エネルギーRenewableがどれほど猛烈に展開されているかを知らない。」「CO2による地球温暖化は疑う余地のない事実であり、原発はCO2削減の有効手段と信じている。」の2点に気付いた。自然エネルギー利用は太陽光発電しか知らず、風力発電は騒音障害を起こし不安定で使い物にならないとしっかり刷り込まれているらしく、巨大な太陽熱発電や7MWもの巨大風力発電の写真を見せても何か分からない。メディアは不勉強で外国駐在の特派員もロイター電を待っているだけで自ら取材はしないそうだし、国民も言語の壁と情報鎖国に閉じ込められて何も知ろうとしない。とにかく自分でものを考えることが苦手のようだ。だが「脱原発の個人的意見」はそれがまともな議論が始まるきっかけになれば良いと思う。僕はマイホーム学院講義の機会を貰ったら、受講者がいろいろなこと自分で考えるように、そのきっかけになりたいと思っている。
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6月 宮城沖地震は予測されていたのに
6/27の日経は、原発停止が長引くと電気料金18%上昇も、と報じ毎度ながらの原発擁護を展開している。CS放送朝日ニュースター「ニュースの深層」では東大教授なる人が原発を1台止めるごとに1兆円燃料費が掛かると語り、インタビュアーから御用学者と言われる始末。しかし、すべての情報が公開され多様な考えの人達が検証できる状態でない限り原発擁護のための脅迫とのそしりを免れない。もし本当に原発の電気が安いというのなら、政府が投入している巨額の助成や保護をすべて外した上で、市場原理に基づいて企業である電力会社に選択させるべきであろう、という趣旨を吉岡斉氏は「原発と日本の未来」岩波ブックレット\525で述べている。とても冷静な書で安くて薄くてすぐ読めるのでお勧めである。原発立地に落とされる膨大な補償金や、未だ世界中がどうしたら良いか分からないでいる使用済み燃料棒の最終的な処理に至るまでのすべての費用、これまでに17回に及ぶ延期の末累積建設費が当初予算の3倍の2兆円超にも膨らみなお稼動出来るかどうかも分からない六ヶ所村再処理工場の今後の費用や、幾らになるのか分からない今回の事故の補償なども含め、始めから終わりまですべてのコストを計算に入れて、それでも電力会社が原発を経済的だと選ぶのなら、原発は安いのであろう。

メディアは6/28、東京電力の株主総会を書きたてたが面白くもなんともない。慶応大学の小林良彰氏がやはりCS放送「ニュースの深層」で興味深いことを言っていたので調べてみた。まことにおっしゃるとおりである。

まず東京電力の責任は無限責任であること。1961年に出来た「原子力損害の賠償に関する法律」(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S36/S36HO147.html)というのがあり、その後何度も改訂を繰り返した法律だが、その中で「当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる」「賠償する責めに任ずべき原子力事業者以外の者は、その損害を賠償する責めに任じない」とある。即ち、全賠償責任は東京電力にあり、国民はその賠償を手伝うことはない、と言うことである。政府は税金を使って助けることは出来ないことになっているのだ。

もう一つ、「異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときは、この限りでない。」ともある。これは巨大隕石落下とかテロ団による破壊工作などを指すが、ではあの大地震はどうだったのか。先生によれば、2010年に文部科学省の地震調査研究推進本部事務局が「全国地震動予測地図」なるものを発表している。この中で、宮城沖地震は今後30年以内に起こる地震の中で東海地震を上回る99%の確率とされている。見ると、確かに書いてある。(http://www.jishin.go.jp/main/pamphlet/leaflet/leaflet.pdfとても面白いのでお勧めである。)これではとうてい「想定外」なんて言える物ではないことが明確である。

結局、東京電力の株はもはやゼロであり、これを何とか生かそうなどと言うことは法律違反である。なんとかして現在の経産省の意のままになる電力会社を温存しようとする話には絶対に乗るべきではない。家庭で節電だの、ゴーヤを植えろなどと馬鹿なことを書き立てるメデイアに踊らされてはいけない。
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5月 『原子力"安全"委員会』
東京在住のある女性が、東京金町浄水場の水に放射能汚染が見つかったあと、名古屋で水を入手して貰いたい、とうちのおかみさんにmailを送った。とても知性のある方で、あんな人までがそんな風にうろたえるのか、といぶかしく思った。
確かに、国がいろいろな基準を決めるときには、時として不必要にきつい数値を求めることが多いように思うので、僕は下のように思った。曰く、

メディアテレビはしきりに専門家なる人たちを登場させて、「この安全基準は、一年間普通の人が採る量の水量を口に入れ続けたときに、影響が出るかもしれない値より更に一桁下の値だから、心配しないでください」などと言わせています。口に入れるというのは、炊飯によって米に含ませた水量も含んで、ですから、基本的には大人が心配するような水準ではなく、念のため乳幼児には与えないでおこう、というのは正しいと思いますし、大人が自分のために買いだめして、それで乳幼児用までがなくなるのは、まさに本末転倒だと思います。と書いた。
放射能汚染だけでなく、水質基準とか他の安全基準も同様ですが、確かにそのような基準の作り方がされます。安全の上にさらに一桁か二桁ぐらいの安全を取って基準とし、その基準をクリアする為に無視できない上乗せコストをかけるのですが、そのコストは国民の負担になるわけです。それで「超えた」と発表しながら、実は安全だというのですから実に無責任な話です。それならば、基準の作り方自体を、もっと科学的に適正なものにするべきでしょう。もし3/24の基準越えが「心配しなくて良い」ものであれば、「水供給者や原子力関係者がこれを超えないようにするべき値」の内規とし、これを超えたら本当に問題、というところへ安全基準を設けるのが本当ではないかと思います。
このように過剰といえる安全基準を、社会的コスト無視でつくり、市民もまたメディアの煽りに乗せられてもっと安全安心をと、科学的根拠を超えて求める奇妙な習慣は、責任を負わされるのを嫌う官僚の事なかれ主義が生んだ過剰安全基準主義による弊害が形になって表れたものではないかと思えます。
この様に書き送った翌日、食品安全委員会が基準の緩和を言い出しました。 えー!?事故が起きたら基準を変えるの?国民を馬鹿にしてませんか?

放射能汚染の怖いところは、焼けただれて死んだ、とか、赤くぶくぶくにふくれて毛髪が抜けた、と言った短期に答えの出る障害だけでなく、何年、何十年後に発ガンとして現れることでしょう。

地震と津波の起きた日、僕はイランで仕事をしていた。夜ホテルへ戻って、ペルシャ語チャンネル以外を探してやっとBBCを見つけた。画面では、河が流れているように見えたが流れていたのは多くの車だった。そこで初めて大地震と津波を知った。そして原発の爆発も見た。その後も毎日BBCは連日大半の時間を地震と津波に割いていたが、過半の時間は原発に割いていた。日本の首相が、みんなで助け合って乗り切りましょう、と選挙演説のような話をしているのも放映され、恥ずかしさで穴に入りたくなったし、官邸報道官なる兄ちゃんがBBCに原発関係の質問をされて、むにゃむにゃと訳の分からない答弁を下手糞な英語で答える場面も写され、またまた恥ずかしかった。これが日本政府かよ!
その後、僕はドイツの展示会に向かった。そこでは知り合いのドイツ人たちに会うたびに、慰めの言葉をもらった。それと同時に、彼らはこれで原発をもう一度考え直すことになるよな、と言い、日本も変わるんだろう、と言われました。僕は、「そうあるべきだけど、日本は変わらないかもしれない。日本は経済産業省に支配されているし、役人は一度決めたら世の中がどう変わってもそのまま突進するから。長良川の水門も、諫早湾干拓も、八ッ場ダムもみんなそう。日本人は従順なんだよ。」と答えるしかなかった。
その後も、Tsunamiニュースの半分以上を原発に割いているBBCやCNNを見ながら、帰国してテレビを見て驚きました。専門家とか評論家とか言う連中で、誰一人として原発抑制を言う人はいません。みんな口を揃えて、日本には原発推進が必要と力説しています。放射能は安全だとも。アメリカでは「原子力規制委員会」ですが、日本では「原子力安全委員会」だもんね。多分、反対意見の人は闇に葬られて、発言の機会を貰えないのでしょうし、(そういえば公害時代に東大万年助手 宇井純さんと言う方が居られました。彼はその後、沖縄まで行って名誉教授になられたようです)メディアも、経済産業省や東電が怖くてそんなことを言えないのでしょう。

BBC放送が東京での原発反対デモを映していましたが、おかあちゃんはそれを見て怒りました。「日本のテレビではデモがあったなんてどこもやらないじゃないの」。何人かの取引先に聞いてみたけど、反原発デモがあったことは誰も知りませんでした。僕はそのとき、自分が、情報統制の厳しい中国に住んでいるような気がしました。

従順もコンプライアンスも良いけど、度が過ぎると問題です。怒りをなくしてしまっては、そもそも民主主義自体が成立しません。 恐らくムバラク氏もカダフィ大佐も、日本の支配者をやっていたら、末永く安泰だったのでしょうに、残念でしたね。

ドイツは直後の選挙で、反原発のみどりの党が急進し、原発政策は後退を余儀なくされたようです。ですが、彼らは単にヒステリックな訳ではありません。日本では、Renewable Energy には大したことはできないことになっていますが、添付新聞にあるように、もっとはるかに進んだ議論になっています。ドイツ滞在中にも電力需給のグラフを見せられ、こうすれば原発は要らないのだ、と説明されました。

新聞を見ると、太陽光発電中心に書かれていますが、これこそ日本メディアの思い込みで、Renewable の45%を風力、太陽光発電と地熱(主にヒートポンプの低熱源として使われます)が各14%、全く触れられていませんが太陽熱とバイオマス(木材ペレットなど)が大きな比率を占めているはずです。ハイテク産業推進と原子力推進に馴染まされた日本人は太陽光発電こそがRenewable と思っているようですが、それは世界の常識からは、ずれていると言わざるを得ません。

原子力不要と言えるかどうか分かりませんが、水も安心して子供に与えられなくなってしまう今の状態を見るにつけ、風力にも他の方法にも全力を注ぎ、独仏がサハラ砂漠で太陽熱発電(太陽光ではありません)をやろうとしているようにオーストラリアの砂漠でも貸して貰うこともやった上で、どうにも残っってしまう不足を埋めるために仕方なくやらざるを得ないからやる、と言うものではないかと考えています。
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4月 安全安心の日本
最近のアラブ諸国の騒乱はまさに国を揺るがしている。英国BBC放送は多大の時間をかけて連日現場からの映像を放送している。戦闘が激しくなり始めた3月初めにはどうやって潜り込んだのか、なんとリビアから特派員が様子を伝え、その傍を機銃を手にした連中が走っていた。同じ日、北京では特派員がデモを押さえ込む公安に、髪をつかまれて車のシートに叩き付けられている映像も出た。連日この調子である。そんなことは私達にとっては無関係な遠い世界の話で、それより海老蔵事件のその後や、民主党内の内輪もめのほうが重大かも知れない。それでも先日やっと日本のカメラがエジプトの現場へ入ったようで、「今は静かですが、ここが騒ぎのあった広場です」だそうだ。さすが安全安心の日本である。私には、報道の理念を失ったこんなマスメディアが日本を低下させているとしか思えない。
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3月 世界的太陽熱大盛況のなか。。。
正月休みの途中から中国へ出張した。我社初めての輸出で、深センから2時間ほど北の街に設置する120基の集熱器の設置工事の打合せに行ったのである。30階建て新築高級マンションの屋上に設置する。自己流で適当に設置しようとする相手を説得するのに半年以上かかったが、なんとか納めることができた。同じ時、東京のあるビルの屋上にも設置して貰える話があった。東京も深センも台風の襲来を受ける。台風時の地上120メートル上空の風の力は恐るべきものである。そこで強風に耐えるよう集熱器をいくつも試作し、破壊に至る試験を繰り返して十分な強度のものを作り上げた。世界的太陽熱大盛況の中で、日本ではなかなか機会が貰えないが、我等は努力を続けるぞ。
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1月 CO2の先のビジネス
 少し前にはドイツから、今度は英国の市場調査会社から太陽熱利用市場についての調査に協力依頼があった。データも示して日本では全く低調であると答えたら、貴方の話は衝撃的である、と追加質問を寄越したりする。彼等はEUの太陽熱大盛況の状況から見て日本も当然そうだろうと、ビジネスチャンスを狙っているらしい。
 CO2削減最先鋒のEUだが、本音は自らのエネルギー安全保障のための再生エネルギー利用拡大であり、そこで生まれた技術や製品を世界に売りまくろう、と言うものである。ブッシュ政権末期以後、EUがアメリカ市場に斬り込む活動は大変なものである。xxx先生の話ではないが、ことはCO2ではなくエネルギーの問題でありビジネスなのである。この国はなんて平和でのどかな国なんでしょうね。。
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