チリウヒーター ソーラーシステムで60年の実績
 地球環境から身近なことまで熱い思いを語る…2009


2009年
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11月 国際競争に乗り遅れる
 世界的な太陽熱利用の拡大で、とんでもない問い合わせが舞い込むようになっている。先日はウズベキスタンからの話である。
 名前は聞いたことがあるが、いったい何処だろうと調べてみたが、まさにトンでもない所である。遊び半分に、どうやって行くのか調べたら、日本からは便がなくソウルからは便がある。確かにソウルや香港の空港へ行くとその行き先の多様さは驚くほどで、国際便のハブ空港になっている様が分かる。広くて便利で離着陸料が安い。
 経済的見地から見て、日本にそんな役割を果たせる空港がないのは実に情けないことだし、国際競争からいえば実に危険なことではないか。そのくせ静岡や神戸に空港を作る。
 どうも国を閉ざして、次第に沈んで行くような危惧を感じて仕方がないのだ。
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10月 補助金のあり方
 経産省の高効エネルギーシステム導入促進補助事業に続いて、国交省の省CO2推進モデル事業、環境省の地域協議会民生用機器導入促進事業、などと各省がそれぞれ様々な名目で補助金制度を設け、私たち事業者はその恩恵に与ろうと努力する。事業に有利と思える補助制度があれば、それを利用するのは事業者として当然の義務でもある。
 だがこれほど各種各様の施策があるが、その目的に国としての一貫した理念があるように見えない。各省それぞれ予算の確保と消化をしているようにしか見えない。その中で私達は、補助金に撹乱されて本来の事業理念を見失わないように、自らを律することが肝要だろう。
 ハイブリッドソーラーハウスの持つ、家計と環境にかかる負荷を最小にしつつ、日本人が今まで経験できなかった、体と心に安らかな住まいを提供する、という崇高な理念を、補助金ごときに引っ掻き回して貰いたくない。もしやるなら、もっと明確に目的の見える分かりやすい助成にして貰いたいし、そうでないならいっそ何もないほうが、すっきりと仕事に専念できて良いと思うのである。
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8月 日本とEUの政策の違い

 世界最大の太陽エネルギー利用展示会が例年ドイツで開催される。太陽熱利用だけでも4万㎡を占めるが、ヨーロッパでも太陽光発電は更に多くの場所を占めている。どちらも立派な展示ブースを競っているのだが、太陽光発電の巨大な展示の多くが何百メガワットという大規模太陽光発電所の大写真である。
 太陽光発電をいかにも儲かるかの如く欺き、庶民の財布でメーカーを育てようとする我国経済産業省の政策に対し、国の総発電量の何割かを自然エネルギーに切り替えて国の安全保障を図るEUの政策との相違が歴然と表れている。来年から10年間倍額買取で業界は沸き立っているが、それでもやっと償却期間は寿命と同じ20年、だが国民は舞い上がり、愚かな大手メディアもはしゃぎたてている。

ポルトガルの46MW太陽光発電
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7月 日本の文化遺産は・・・
 兵庫県の日本海岸を走る山陰線に掛かるのが写真Aの「餘部(あまるべ)鉄橋」である。
A B
 高さ41.5m、長さ310.7mの鉄橋で、トレッスル式と呼ばれる鋼材をやぐら状に組み上げた橋脚が特徴で、この種の鉄橋では日本一の規模を誇る。明治42年(1909年)に着工し、約33万円(今の42億円)の建設費、延べ25万人の労力をかけ、明治45年(1912年)に完成した、世界に誇る文化遺産である。
 ところが現在架け替えが進んでいて、写真のようになる。「余部鉄橋の価値を後世に伝えるため、現橋の一部を残し地域活性化に活かすべき」との提言を受け、現在県が利活用計画を策定中とか。
 冗談じゃないよ! 世界中の国で、その国の文化遺産を守り、結果としてそれが貴重な観光資源にもなっているのを見るにつけ、この国が情けない。少しばかりの効率向上を求め て、もっと遥かに大切なものを捨ててしまう愚かさ。
 京都二条駅、大きな木造長野駅、文化遺産だった東京駅のホテルは今や安っぽい四流ホテル、丸ビルを始め とする丸の内ビル群、その他限りない。戦争で瓦礫になった石材を拾い集めて町を復元したヨーロッパの多くの町を見るたびに、涙がこぼれるのだ。
 自分たちの 歴史や伝統や文化遺産をこんなに平気で壊してしまう民族なんて世界に類を見ないのではなかろうか。恥を知れ、JR。恥を知れ、日本人よ。
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6月 日本のマスメディア
 人類に未だ免疫がない新型ウィルスによるインフルエンザで新聞テレビなど連日大騒ぎである。人類に免疫がない伝染性病原体は確かに危険であり、国内に入るのを少しでも遅らせようとするのは理解できる。しかしだからと言って毎日毎日テレビ電波でこれほどやられるとメディアのバカ騒ぎ主義に呆れるばかりである。
 そしてついに修学旅行の中止やイベント集会の中止の続出。これこそ、大騒ぎで煽り立てるマスメディアと官僚や管理者たちの「事なかれ主義」との見事なコラボレーションである。
 ダイオキシン騒ぎで日本中の焼却炉と超高額なのに取り替えるのもそうだし、秋田県木造住宅かなんかの手抜き工事事件を利用した、今も続く建築締め付け管理もそうだし、最近では世紀の大不況を利用して世界一の借金財政も屁のカッパの追加予算バラマキもそうだ。だがそれでツケを払うのはみんな俺たちだぞ。
 昔、旅行ができなかった時代の修学旅行が今も続くのもその一種だが、テレビを見ていたら中止になった修学旅行に費用十何万用意したのに、などと言っていたがホントにそんなに掛かるものなの?
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5月 言葉を交わす大切さ
 週末がセミナーのため出張続きで夏野菜の植え付けが遅れてしまった。だが知り合いの農家のおばあちゃんや農協の売店のねえちゃんたちにああしろ、こうしろと教えてもらって、何とか間に合わせられそうである。
 魚屋のあんちゃんには、これは地の天然だからいいよ、とかこっちは大きいけど養殖だよ、とか。時にこういう暮らし方をしてみると、郊外の大ショッピングモールなんか行きたくもないし、何か間違っているのではないか、と思える。
 それにしても、アジアでもアフリカでもヨーロッパでも、世界中いろいろな街を歩き回れば、必ず地元商店や市場があって、八百屋や魚屋や漬物やと言葉を交わしながら買い物が行われる風景に出会うのだが、この国はいったいどうなっちゃったのかねー。
 そう言えば、家作りも同じことではないでしょうか。大手何とかハウスこそ信頼できる、と建て主が集まってきたのだが、お節介で人が良く親切で、でもさすがプロな地元のお店と、彼らと言葉を交わしながら家を建てる施主というのの方がいいと思うのだがなー。もっともそれには工務店も技術水準で応えることが必要だけど。
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4月 自分の足で立つ
 NEDO の高効率補助金がなくなった。残念という意見もあるが、そうは思えない。あれのお陰でハイブリッドソーラーハウスは年に一度しか売れない季節商品に成り下がってしまった。補助金依存の販売体制になってしまい、これまでの販売努力は衰え、結局総施工棟数は激減した。そんな中でも、以前どおりに着実な活動をしておられる各社には影響はなかったのである。同業メーカーにも、補助金など何時なくなるか分からないし、その時の弊害の方が大きいのでありがた迷惑だ、という意見もある。
 200年住宅などと、工務店いじめは後を絶たない。日本はビジョン無き政治家とやりたい放題の官僚の国であり、その施策は決して工務店を向くわけではなく、消費者に向いているのでもない、ということを私たち中小企業者は肝に銘じ、ゆめゆめお上が助けてくれるが如き幻影を抱くべきでない、と思う。自分の足で立つことが第一であろう。
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3月 CO2温暖化説を利用する人たち
 温暖化は、CO2と言うより大きな地球的変動と捉えた方が良いかもしれないが、CO2説は利用価値があると考えた人達がいる。冷戦終結で職を失いそうになった軍事研究者たちもそうだ。ロシア依存を減らし、国際政治の主導権を奪おうとするヨーロッパにも良い利用価値がある。CO2削減活動への指導的役割に対し、2007年のノーベル平和賞は、国連のIPCCとアメリカのゴア元副大統領に与えられたが、これもノーベル賞委員会のブッシュ・アメリカへのイヤミである。
 そもそもIPCCは、イギリスが国内の原発反対運動を抑えるためにCO2温暖化説を利用し、それを国連へ持ち込んだものだとか。日本では国連と言うと何か正しい正義の見方のように考えるが、実は泥臭い血なまぐさい国際政治の舞台であることを肝に銘じるべきだ。
 さて、日本の役人たちは、CO2温暖化説を原子力推進に利用している。夜間の電力消費を増やし昼間の電力消費を減らすオール電化や太陽光発電には補助金を出し、夜中でも発電する風力発電は爪弾き。太陽熱利用などオール電化の邪魔者。
 CO2温暖化説はこれまで書いたように国のエネルギー安全保障のために利用するのが本筋だと考えよう。
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2月 ドイツがCO2削減に熱心な理由
 ヨーロッパのCO2削減でリーダー的な活動をしているドイツだが、あるドイツの学者に「どうしてドイツはそんなに熱心なの?原発をやめる為か、CO2削減か?」と聞いたことがある。彼の答えは極めて明快だった。
 ヨーロッパはエネルギーの40%をロシアに依存している。貴方はプーチンを信用できますか?と。別のドイツ人は、つい昨年もオーストリアが冬にガスを2,3日止められた。2,3日でも震え上がらせるには十分だったよ。その上、石油価格が下がってきたのに、彼等はガスの値上げを要求してきた、とも。そう言えば日本もサハリンで開発していたガス田に、ロシアの資本をねじ込まれたことを思い出す。
 93年、小泉訪ソで東シベリア油田からのパイプラインを中国へ、ではなく日本海へ引く合意を得たが、それは世界が注目する快挙だった。ところが08年10月末、プーチン、温家宝はこれを中国へ分岐することに合意し、朝日新聞はこれをささやかに報道した。本当は農薬餃子よりもはるかに大きく扱われるべき問題なのに。
 CO2なんかどうでも良い。それよりヨーロッパのように、CO2温暖化説を利用して自然エネルギーをしゃにむに利用し、少しでも国の安全保障を図るべきなのである。 (3月へつづく)
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1月 温暖化の理由はCO2?
 最近いろいろ読んでいると、温暖化をCO2が原因とする説には異論も多く、十分に根拠も説得力もあって納得できる。
 例えば、太陽活動の変動と上空気温の変化とは見事に合致し、太陽活動原因説は昔から根強い。面白いのは、諏訪湖の御神渡りである。これは諏訪湖が全面結氷し、ある朝突然、氷が音を立てて湖面を横切って盛上がる現象であり、その記録が1400年代から残っている。その御神渡りが温暖化によって年々遅くなっているのだが、これをみると温暖化が1800年頃から始まっていることが分かる。氷河の後退もその頃から始まっていると言う例もある。化石燃料大量消費でCO2濃度の急上昇が始まったのは1950年以降だから、理屈に合わない。
 実は1600年から1800年半ば過ぎまでは「小氷期」とよばれる寒い時代で、今はその回復期にあるので温暖化は大きな自然の流れである、と言う。これは実に納得できる。ではCO2はどうでも良いのか。(2月へつづく)
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